2011年1月24日月曜日

IgA腎症 = 病巣感染 × 生活習慣

写真:「慢性免疫病の根本治療に挑む」の表紙

堀田先生の著書「慢性免疫病の根本治療に挑む」を読み終えた。これは、IgA腎症患者なら必ず読むべき一冊だ。まず最初にこの一冊を読むことで、IgA腎症のことがよく理解できる。また、自分が何をすべきかも見えてくる。というわけで、自分の復習のためにも、何回かに分けてポイントをまとめてみよう。

 人間の体には免疫という仕組みが備わっている。免疫は、ウィルスや細菌などから体を守ったり、あるいは体内で生じたがん細胞や老化した細胞を効率よく除去するためのシステムである。

 このように免疫システムは本来、外からの外敵や体の中に出現した内敵をやっつけて自らを守る役割を持つが、何らかの不具合によって、本来守るべき自分の体を攻撃するようになることがある。これらの現象が引き起こす疾患を「免疫病」といい、この現象が一過性でなく慢性的に持続して起きる疾患が「慢性免疫病」である。
引用元: 書籍「慢性免疫病の根本治療に挑む」堀田 修・著)



この慢性免疫病としては、IgA腎症のほかには、関節リウマチ、潰瘍性大腸炎、C型慢性肝炎、B型慢性肝炎、慢性甲状腺炎、膠原病などが挙げられる。それらの発症するプロセスは、多くは感染源は不明だが「慢性感染」から始まり、何らかの原因で生じた免疫異常が持続してしまい、慢性免疫病という疾患になるというものだ。IgA腎症の場合は、糸球体の毛細血管が炎症を起こしていることになる。

「慢性感染」には自覚症状がない。例えば、風邪をひいたとき、熱や痛みなどの何らかの自覚症状があるのは、体が病原体と戦っていることの証拠であり、通常は体に備わっている免疫力が勝ち、病原体は排除されて自覚症状もなくなる。


しかし、「慢性感染」の場合は、病原体がヒトの体と共存関係を構築しているのだという。自覚症状が全くないため、その病巣は発見されないことが多く、その「慢性感染」が免疫系を刺激し続けた結果として「慢性免疫病」につながる。

ヒトの体には、この「慢性感染」を起こす部位があり、さまざまな二次的な疾患を引き起こすことから、これを「病巣感染」という。慢性的に炎症を起こしている病巣感染には、慢性扁桃炎、虫歯、歯周病、慢性副鼻腔炎などがある。これらが根本的な原因となって免疫異常が生じ、さらに、ストレス、口呼吸、喫煙、睡眠不足、冷飲食などの誤った生活習慣とも相まって、IgA腎症を引き起こすと見られている。

ここでちょっとウエちゃんの自己診断。

  1. まず、病巣感染
    • 慢性扁桃炎: 自覚はないが、耳鼻科の診療で口蓋扁桃が「腫れている」、「膿がある」と言われた。口蓋扁桃は4月に摘出する予定だ。
    • 虫歯・歯周病: ここ数年、歯科検診を受けていない。2月に歯科ドックを予約してある。
    • 慢性副鼻腔炎: CT検査の結果、異常なし。
    • 鼻咽腔炎: 鼻咽腔に炎症があるとの診断を受け、1月から鼻洗浄(鼻うがい)を始めた。
  2. 次に、生活習慣
    • ストレス: 本人としてはあまり自覚がない。
    • 口呼吸: 堀田先生にズバリ指摘された。歯並びとあごを見れば分かるらしい。治していかなければ。
    • 喫煙: 昨年までの主治医には止められていなかったこともあり、IgA腎症発症後も20年近く吸ってました...。昨年11月下旬から禁煙を開始。
    • 睡眠不足: 仕事でたまに徹夜してしまうこともある。できるだけしっかり寝よう。
    • 冷飲食: 風呂上がりにアイスを食べるのが日課だった...。これも12月くらいから控えている。

というわけで、見事なくらいに病巣があり、生活習慣も悪かったことを自覚しました...。

 日々の臨床を行っているうちに、慢性免疫病や難病の患者と、その患者に潜んでいる扁桃炎や鼻咽腔炎、歯周病などの病巣感染との関係、すなわち「慢性免疫病と病巣感染の関係の重要性」を強く認識するようになった。
 慢性免疫病と病巣感染には、切っても切れない関係がある。慢性免疫病の根本的な治療には、病巣感染についての認識が欠かせないのだ。
引用元: 書籍「慢性免疫病の根本治療に挑む」堀田 修・著)

堀田先生は「木を見て森も見る医療」という言葉を著書などでも使われている。IgA腎症のある腎臓を見るだけでなく、その病巣として考えられる扁桃、鼻、歯などの状態も確認して、そこに何らかの炎症などの異常があれば、そこから根本的に治療することが不可欠というわけだ。


さきほどの自己診断の結果をきちんと自覚して、IgA腎症の病巣を取り除き、生活習慣を改めていくことを心がけていきたい。

それでは、アディオス、アミーゴス!

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