2011年7月12日火曜日

入院(ステロイドパルス)21日目 / 第3クール7日目(内服): 「人生リラックス」 最終日に潜血(3+)、蛋白(+-) で退院

3クール目も点滴終了後に尿潜血が徐々に悪化...


写真:最新の尿検査結果

表. 尿検査結果の推移
日付     蛋白   潜血   赤血球  備考       
2011/06/21 2+ 1+ 2+ パルス入院初日
2011/06/22 1+ 2+ 10-29/ 1クール:1日目(点滴)翌日
2011/06/23 1+ 1-4/ 1クール:2日目(点滴)翌日
2011/06/24 +- 1/スウ 1クール:3日目(点滴)翌日
2011/06/25 1+ 1-4/ 1クール:4日目(内服)翌日
2011/06/26 1+ 1-4/ 1クール:5日目(内服)翌日
2011/06/27 1+ 1-4/ 1クール:6日目(内服)翌日
2011/06/28 +- 1-4/ 1クール:7日目(内服)翌日
2011/06/29 1+ 1-4/ 2クール:1日目(点滴)翌日
2011/06/30 +- 1-4/ 2クール:2日目(点滴)翌日
2011/07/01 1/スウ 2クール:3日目(点滴)翌日
2011/07/02 2+ 5-9 2クール:4日目(内服)翌日
2011/07/03 なし なし なし 2クール:5日目(内服)翌日
2011/07/04 +- 2+ 10-29 2クール:6日目(内服)翌日
2011/07/05 +- 2+ 10-29 2クール:7日目(内服)翌日
2011/07/06 1+ 1-2/20 3クール:1日目(点滴)翌日
2011/07/07 +- 1/スウ 3クール:2日目(点滴)翌日
2011/07/08 +- +- 1-4/ 3クール:3日目(点滴)翌日
2011/07/09 1+ 1-4/ 3クール:4日目(休薬)翌日
2011/07/10 +- 2+ 10-29/ 3クール:5日目(内服)翌日
2011/07/11 +- 3+ 不明 3クール:6日目(休薬)翌日
最悪の場合、もう1クール追加で入院延長も!?
扁桃を摘出して、ステロイドパルス(点滴)をしたら、尿潜血は徐々に減っていくのかと思いきや、2クール目、3クール目はむしろ増加。3クール目に至っては、点滴3日間を終えた翌日から、(+-)、(1+)、(2+)と増え続け、さらに退院当日の朝には(3+)と、最後には過去にもあまり記憶のない(3+)にまで...。

主治医の古川先生が今朝までの検査結果を手に持ちながら、何やら神妙な面持ち。「たぶん、もう1クール追加っていう話にはならないと思うんですけど...」。そう言われて検査結果を見せてもらったら、「(3+)」が目に入ってきた。なんで最後の最後に一番悪い結果が出ちゃうんだろ...。もしかして、オレの腎臓って、厄介者なのかな。もう17年目だもんな。最悪もう1クール追加か...。
果たして、堀田先生の診断やいかに...
そして、午後になり、堀田先生の診察室へ。さっそく入院中の今朝までの検査結果を見ていただく。

「あれ? 潜血が(3+)!? なんで、(3+)も出てるんだ?」

最初は堀田先生も少し驚いていた様子。

「ちゃんと(塩化亜鉛の)点鼻やってた? あ、そうか、扁摘してすぐに来ていたからやらなかったのか。」

そして、21日間の経過を確認してからの先生の一言。

「うん、大丈夫だ。途中で一回寛解(尿所見に異常がない状態)になってるでしょ。これさえ確認できていれば大丈夫。あとは早ければ半年後くらいとか、まあ一年後には寛解できるんじゃないかな。」

たしかに、2クール目の3日間の点滴を終えた翌朝には、潜血も蛋白も(-)に一回だけなっている。このときは、尿比重も1.013で薄くない。どうも寛解できそうかどうかを判断する目安の一つとして、ステロイドパルス入院中に一回でも尿所見に異常がない状態、つまり潜血と蛋白が両方とも(-)になっているかどうか、というのがあるようだ。もちろん、あくまでも目安の一つであって、絶対条件ではない。

ステロイドパルス療法中の尿潜血の経過として、点滴すると良くなって、点滴が終わるとまた悪化するというのは、よくあるパターンらしい。堀田先生によれば、これは別に珍しくもなく、ごく普通のことだという。それを聞いてかなり安心した。
伝家の宝刀 "塩化亜鉛" 再び...
「じゃ、やっておこうか。はい、横になって。」

この入院中に点鼻をやっていなかったということで、堀田先生の伝家の宝刀 "塩化亜鉛" の登場だ。まずは口を開けて、ノドの奥にしっかり押し付けるように塗布。さらに、長い綿棒を両方の鼻の穴から奥までゆっくりと入れて、数分間そのまま放置プレイ...。

上咽頭に炎症があると、塩化亜鉛を塗布することによって出血が見られる。しかし、今回も出血はほとんど見られず、今のところは上咽頭炎は鎮まっているようだ。念のため、点鼻用の塩化亜鉛を処方された。

写真:処方された塩化亜鉛の点鼻薬
塩化亜鉛の濃度は0.5% これを1日3回点鼻する
顔を60度くらい上に向けて、ノドの奥まで届くように点鼻するんだとか。この点鼻、ある経験者の方のブログで「鼻にタバスコ」と書かれているのを読んだことがあるんだけど...(汗) 

扁摘パルス後も尿潜血がなかなか消えない場合の原因として、上咽頭炎が考えられるという定説がある。ウエちゃんは尿潜血が(3+)になっているので、念には念を入れて点鼻をすることによって、上咽頭炎が原因かもしれないという可能性を完全に消しておこうというわけだ。

基準値に戻った24時間クレアチニン・クリアランス 腎機能は回復したのか!?
安心したところで、気になっていた質問をしてみた。腎機能を示す指標となる24時間クレアチニン・クリアランス(24hCcr)の数値。昨年12月に81.2だったのが、今回の入院中の検査では98.1となり大きく改善。腎機能って回復するものなのか?
  • 24時間クレアチニン・クリアランスの数値は、腎機能を厳密に示しているわけではない。あくまでも目安程度に見ておくべき。81.2から98.1に上がったのも、誤差といえば誤差の範囲内。ただ、基準値になっているのはよいこと。
  • 腎機能は、糸球体が完全に潰れてしまっている場合を除けば、(ステロイドパルスなどによって)回復することはある。
ということで、完全に機能しない状態になってしまったものは元に戻ることはないが、その手前であれば回復する可能性は残されているということのようだ。

退院後のアドバイスは、「人生リラックス。」
退院後の注意点を中心に、堀田先生にいろいろ話を伺えたので、要点を整理しておこう。ただし、これらはあくまでもウエちゃんの場合であって、必ずしも他のIgA腎症患者さんすべてに当てはまるわけではないので、その点はご注意を。
  • 退院後はマスクしなくていい。手洗いとうがいをしっかりすること。
    • 入院中は病院内ではもちろん、外出・外泊する際も着用するように言われていたし、いろいろな体験談にも夏でもマスクは欠かせないって書かれていたりした。が、「マスク? しなくていいよ。」と堀田先生。それよりも、手洗いとうがいだそうだ。真夏でもマスクを半分覚悟していただけに、これは朗報。
  • 尿は自分でチェックしなくてよい。
    • 尿試験紙買おうかと思ったけどやめとく。一喜一憂はカラダにも良くないしね。
  • 血糖値も気にせず、カロリーと塩分さえ控え目にすれば、好きなモノを食べて飲んでいい。
    • ウチの食事は全くといってよいほど味付けに塩を使っていないから、塩分は大丈夫。むしろ、手料理が美味しいからといって、ウエちゃんがゴリ食いしないかどうかがカギ(汗)
  • 夏はどんなに暑くても、首を冷やさないようにすること。
  • ウエちゃんの口元をじーっと見て「寝るときにテープで口閉じておいたほうがいいな。」
    • 堀田先生は、やっぱり観察眼が鋭い。入院中は口閉じテープを貼って寝ていたが、まだ無意識に口呼吸してしまっているようだ。
  • 「あなたは、なんか何でも細かくキチっ、キチっとやりそうな気がするなあ...。細かいこと気にしちゃダメだよ。人生楽しまないと、治るものも治らなくなっちゃうよ。」
    • ま、たしかに几帳面なA型ですけど何か?(笑) ていうか、やっぱり17年目だし、ぶっちゃけ何もかも不安なワケですよ。入院中も意外と情報が入ってこなかったから、自分でいろいろ調べちゃうし。堀田先生が回診に来てくれていたら、もっと気楽に過ごせたかもなあと言ってみる(笑)
  • 「人生リラックス。」
    • 入院中の1クール目に一度診てもらった際に「クヨクヨしないこと。」とも言われたけど、精神面のコンディションが腎臓に与える影響が小さくないようだ。いい加減ではなく、"良い加減" で "一歩ずつ" 寛解を目指します!
というわけで、堀田先生の受診後、予定通りに退院。仙台駅から東北新幹線に乗って、糖質70%オフの缶ビールで乾杯しながら東京駅へ。扁桃摘出の入院から通算して、ちょうど丸一か月、ほぼ4週間の入院生活だった。

写真:東北新幹線の仙台駅ホームから見た青空

今日は7月11日。東日本大震災からちょうど4か月。そして、仙台の空には青空が広がり、今日から東北地方も梅雨明け。いろいろな区切りとなる日に退院となったのも何かの縁かな。

では、退院日となった今日一日を振り返ってみよう:
  • 最後の夜はよく眠れて、睡眠時間7時間30分。
  • 朝の尿検査結果は、潜血(3+)、蛋白(+-)と一番悪い結果に...
  • 堀田先生の外来を受診して無事退院!


5:30 起床(睡眠時間:約7時間30分)

昨夜は早めに入眠剤マイスリー錠を1錠飲んで、22時過ぎには就寝。3時過ぎに一度目が覚めたものの、すぐ二度寝。けっこうグッスリ眠れた。

6:00 朝の数値チェック

  • 血圧:127/82[正常]
  • 脈拍:74
  • 体温:36.7度
  • 体重:60.8kg:前日比 0.2kg増

6:15 採血

入院最後の採血。ステロイドパルス入院中は、通算6回目かな。

8:00 朝食


写真:パルス入院3クール最終日の朝食
ごはん 190g、味噌汁、フランクフルト 40g、マッシュポテト、キャベツの生姜和え、漬物、牛乳 [687kcal|蛋白:23.3g、塩分:3.8g]
これが病院で食べる最後の朝食。もちろん完食です。

8:20 ステロイド錠剤内服

  • [朝食前] ジャヌビア錠 25mg 1錠:血糖を下げる
  • プレドニン錠 30mg(5mg×6錠): 副腎皮質ホルモンで、炎症やアレルギー症状を抑える。
  • オメプラール錠 10mg 1錠): 胃潰瘍や十二指腸潰瘍、逆流性食道炎を和らげる。
  • ニューロタン錠 25mg 1錠): 常用薬。血管を拡げて、血圧を下げる。
  • ミノマイシン錠 50mg 2錠: 抗菌作用のある抗生物質

9:00 薬剤師の卵

この入院期間中、毎日顔を出してくれた実習生の女子薬科大生が、いつも一緒の頼りになる薬剤師千葉氏が出張で不在にもかかわらず、わざわざ挨拶に来てくれた。

「真剣に病気と向き合って治療されている姿を毎日見て、自分も成長することができました。本当にありがとうございました。」

うぅ(感涙) しっかりとウエちゃんの目を見ながらお礼の言葉を言ってもらって、何だかうるっときてしまった。ウエちゃんはただ自分のために毎日いろいろ質問をしていただけなんだけど、そのやりとりを通じてとても勉強になったとのこと。直接お礼を言いに来てくれて、とても嬉しかった。歳のせいか、もう少しで涙腺が...。こちらこそ、毎日本当にありがとうございました!

彼女は6年制の薬科大学の5年生で、再来年卒業して薬剤師になるとのこと。いろいろな病気があって、いろいろな薬があって、勉強も大変だと思うけど応援しています。がんばってください! ブログへのコメント書き込みもお待ちしています :-)

9:45 主治医(古川先生)回診

第3クールの点滴終了後から今朝までの尿検査の結果が判明。なんと、尿潜血が(1+)、(2+)、そして今朝は(3+)とここ数年では一番悪い結果に...orz どうもパルス(点滴)中は炎症が鎮まるものの、その反動なのか、点滴が終わると潜血が増えてしまう傾向が2クール目から続いているようだ。しかも、3クール目のほうが潜血が増えている。蛋白も(+-)だ。

「(発症からの)経過が長い分、思っていたよりもくすぶり続けているのかもしれません。」

うーむ、そうか。。。 ともかく、午後に堀田先生の見解をしっかり聞くことにしよう。

12:00 昼食


写真:パルス入院3クール最終日の昼食
味付ご飯 210g、ふくさ卵、焼ネギ、京菜梅和え、フルーツヨーグルト、醤油 [602kcal|蛋白:20.7g、塩分:2.5g]

これが今回の入院で最後の食事。うーむ、味噌汁が欲しかったかも...。なんていうのは、どうでもいいことで。最後まで美味しくいただきました。

12:45 支払

1階フロアの自動精算機を使って、今回の入院費用をカード払いで。

13:30 外来(堀田先生)受診

冒頭でレポートした通り。「人生リラックス」の言葉を胸に、肩ひじ張らずに寛解を目指していきます!

14:00 退院


写真:北仙台駅に到着した仙台行き各駅停車

JR仙山線の北仙台駅まで歩いて、仙台行きに乗車。仙台駅でお土産を買って、新幹線で東京へ。しかし、仙台駅も東京駅も暑かった...。ハッキリ言って、節電のしすぎ。今年の夏はどこもこんな感じなんだろうか。

次回の外来受診予約は8月中旬。堀田先生の外来を仙台社会保険病院で受診。ブログはその間もできるだけ更新する予定です!

それでは、アディオス アミーゴス!

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